株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
2025年3月期は3カ年の新中期経営計画「S.T.G Vision 2026」(以下、「新中計」)を立ち上げ、“ 安全・安心・環境・健康”をキーワードに、事業拡大とニッチトップの実現を目指してまいりました。
連結業績は主力製品のあと施工アンカーをはじめ、商材販売が各セグメントで好調に推移したものの、ファスニング事業の工事関連で元請け業者との工事予定案件が立ち消えたことや、機能材事業のアルコール検知器の販売実績が期初計画を大きく下回り、棚卸資産評価損を計上したことなどが影響し、前期比で増収減益となりました。
新中計の進捗については、人的資本や設備、開発への投資や経営基盤強化のためのM&Aを積極的に展開し、企業価値向上への様々な“ 種まき”が順調に進んでおります。特に電子基板関連のM&Aにおいては、グループ内で製品を一気通貫に受注できる体制の構築を図っております。また、営業活動においては、建設現場を支えるユーザーへの付加価値を高めるため、地域密着を意識した営業活動へと舵を切った成果が現れ始め、これまで停滞していた市場シェアを拡大する手応えを感じる期となりました。研究開発面では、産官学連携した新商品や新工法のプロジェクトも動き始めました。
株主還元については、新中計の方針のとおり、事業成長による企業価値の向上を目指すことに加え、今後も減配なしの安定的、継続的な増配を予定しております。当期の利益減の要因は一過性のものと考えます。評価損を計上したアルコール検知器についても、販売台数は順調に伸びており、メンテナンス需要も含めて次期以降の業績向上に期待が持てます。原価上昇の問題についても、値上げの実施に踏み切るなど対策を施しております。今後もしっかりとした還元を行いつつ、業績のさらなる成長に向け、未来を見据えた施策を進めます。株主の皆様にはぜひ中長期的な視点で事業の進捗を見守っていただければ幸いです。
当社は広く社会や地域に役立つ・貢献する企業を目指して変革を続けます。今後とも、ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長