トップメッセージ

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
2024年3月期（当期）は、3カ年の中期経営計画（以下、中計）の最終年度でした。建設市況は民間・公共ともに底堅く、あと施工アンカーの販売が好調であったほか、価格改定のスムーズな移行および工事売上総利益率の改善等が寄与し、売上高・利益ともに過去最高となりました。
中計3年間において、ファスニング事業では、従来の流通向け営業だけでなく、ユーザー様と直接接点をもつ地域密着型ソリューション営業（創造提案型営業）の体制を整えてまいりました。また、土木分野への参入や建設現場でのDX化にも着実に取り組むことができました。機能材事業では、特に事業用車両を所有する法人向けに、「健康」に関する機能を追加したアルコール検知器関連の展開を進めました。加えて、アフターサービスを充実させ、顧客との信頼関係を継続できる仕組みを構築しています。また、子会社化した企業との密接な連携によりシナジーを発現させて簡便で安全・安心な製品および工法の開発も進んでおり、将来への種まきはしっかりできたものと考えております。
2025年3月期から3カ年の新中期経営計画「S.T.G Vision 2026」では、安全・安心・環境・健康をキーワードに引き続き新領域の模索と組織体制の強化・拡充を図り、事業拡大に取り組んでまいります。
その際に、最も重要となるのは「人」です。地域密着型ソリューション営業の基盤となる、各地域社会に必要とされる人財を育てるべく、給与体系の変更、人員の増加といった「人」への投資に取り組みます。そして、オープンイノベーションにて外部企業との連携や協力も積極的に進め、企業同士の共生で技術革新・市場拡大を図りたいと考えております。社会に価値を提供し、ステークホルダーに選ばれ、必要とされる企業を目指してまいります。なお、新領域については、現在農業用水路を含む灌漑分野や橋梁の漏水対策工事など「水」に関わる領域などで、センシング分野・IoT関連等に着目した取組みをスタートしたところです。
株主還元につきましても、成長投資とのバランスに留意しつつ、引き続き安定的かつ継続的な増配を目指します。株主の皆様におかれましては、末長くご支援を賜ります様お願い申し上げます。